福井県鯖江市河和田

Spot.05 中山公園 Kawada, Fukui

季節は3月。
春の訪れを感じるこの季節は、ふと散歩に出かけたくなる。

河和田を代表する公園「中山公園」も、長い冬が終わり、今か今かと人々の訪れを待っているようだ。

午後4時過ぎ、賑やかな声と共に、小学生たちがこの公園へやってきた。ブランコの周りに集まり、わいわいと楽しそうに遊んでいる。

気がつけば駐車場は、子どもたちの自転車で埋め尽くされていた。さっきまでの静けさが嘘のように、瑞々しい笑い声が公園に満ちる。

中山公園の中には、テニスコートもある。行ってみると、親子がテニスを練習しているところに出くわした。

一生懸命にラケットを振り、テニスを練習する女の子。
少し照れながらも、サーブを披露してくれた。とても綺麗なフォームだ。
お父さんは、そんな娘の様子を、微笑みながら見守っていた。

中山公園にこのような広く整備されたテニスコートがあるのは、10数年前、河和田でプロのテニスプレイヤーを目指す女の子がいたからだったそうだ。

彼女は数年後、福井県初のプロテニスプレイヤーとなった。
若い芽を大切に育てていくのも、河和田の良さの一つだろう。

春の初めの、本当に気持ちの良い日だった。

気がつけば、日も暮れかかっていて、空がほんのりとオレンジ色を帯び始めていた。
子どもたちの笑い声が、微かに響く。

新しい世代の活気、脈々と受け継がれる河和田の生命。
そんなものを感じた、春の始まりだった。

ここからは、わたしが初めて中山公園に行った時の思い出、「いやしフェス」での出来事を紹介する。

2022年11月某日、20時。
すっかり肌寒くなった季節の、ある夜の話。

「河和田の中山公園で、イベントをするのでぜひ来てくださいね」
チラシをもった市役所の職員さんがこのイベントを紹介してくれたのは、数日前のことだった。そこへ行くため、ぼくは仕事終わりに車を走らせた。

「中山公園は、ここのはずなのだけど…。」到着したはいいものの、本当にここでイベントがあるのかと疑ってしまうほどの、深い闇の中だった。

不安な気持ちで車を降りると、かすかに流行りのJ-popが聴こえた。その歌声をたよりに山道を登っていく。

足を進めるにつれ、歌声はより近くに感じられるようになってきた。安心感と共に、柔らかなオレンジの光が身体を包み込みはじめる。そして、視界は突然に開けた。

そこには、いたるところに大小さまざまな電球が張り巡らされ、多くの若者たちが集っていた。

メインステージでは、若者たちが代わる代わる歌や楽器を披露していた。車から降りて途方に暮れかけていたぼくを導いてくれた、あの音楽。河和田は、県内外からの若い世代の移住者も多い。

イベント会場には、河和田名物の「やまうに」が入ったたこ焼きや、バーなどのブースも出店されていて、洒落た飲食用のテーブルもあった。

けれど、椅子の横の地べたが、なんだかんだで一番落ち着く。

飲食ブースの他に、ネイチャークラフトを体験できるワークショップブースも出店されていた。

好きな素材を選んで、リースづくりの体験ができる。枝や木の実は、この広場近くで拾ってきたものらしい。

ネイチャークラフトの購入もできる。

肌寒い季節の、柔らかなイベント「いやしフェス」。人々が集まった時の温かさは、きっといつの時代も変わらない。

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